1xbet모바일

コラム 暮らしを彩るワンポイント人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さんの
女の人生のトリセツ

第6回 
1xbet모바일にある「モスキート音スイッチ」

「この人、私の話を聞いてないんじゃないの?」。パートナーや同僚、上司に怒りたくなること、ありませんか。実は、ちゃんと聞いてもらうには、しゃべり方にコツがいるのです。

私の声はモスキート音?

前回、狩りをしながら進化してきた1xbet모바일にとっておしゃべりはストレス、男性は沈黙でストレスを解消する、というお話をさせていただいた。水や風の音の微かな変化も聞き逃さず、獣の気配をたどって森に行く狩人にとって、ベラベラベラベラしゃべる人が隣にいたら、危険極まりない。目的のわからないおしゃべりは、その解釈に労力が要る。脳のエネルギーと神経信号を奪われて、命さえ危ないのだ。
このため、1xbet모바일は、身を守るために「目的の分からない話がしばらく続くと、音声認識機能を停止する」という手段を講じてくるのである。音声認識しないので、ことばには聞こえてこない。その上、音量さえも、聴覚野が勝手に下げてくれるらしいのだ。というのも、妻の会話が、モスキート音のように聴こえる、という男性がたくさんいるからだ。
つまり、目のまえの女性の声が、「フィーンウゥンホエホエ、ホエフェッホ~」みたいに聴こえているのである(!)。

夫で実験

女性は、音声認識機能を停止することがほとんどないので、この事態は想像しにくいと思う。私は、夫で、実験をしてみたことがある。音声認識機能を停止したな、と、気づいたことがあって、桃太郎の話をしてみたのだ。「おじいさんとおばあさんがいてさ~、おじいさんは山に芝刈りに行ったんだって」「ふ~ん」「で、おばあさんは、川へ洗濯ね」「へぇ」てな調子で、話は、おばあさんが桃を拾うまで続けることができた(微笑)。
夫婦も阿吽の呼吸になってくると、どこで相づちを打ったらいいかが、だいたい読めるのである。「フィーンウゥンホエホエ、ホエフェッフェ?」「うん」「ホエフォッフォ?」「ああ」みたいによどみなく進んでしまう。

「言った」「聞いてない」事件

しかしながら、このモスキート音のところに大事な用事が入っていたらどうだろう。「あなた、来週の火曜日、保育園のお迎え、お願いできる?」「うん」「ほんとに行けるの?」「ああ」のように。
事件が起こるのは、翌月曜日の夜である。「あなた、明日お願いね」「え? なんのこと?」「保育園のお迎え、行ってくれるって言ったよね」「え、聞いてない」「言ったよ!(怒)」「聞いてない!(焦)」という事態に。
よくある「言った」「聞いてない」事件は、こうして起こるのである。うちの夫なんて「そんな単語すら聞いたことがない」と言うので、「嘘でしょ」と思っていた私だったが、1xbet모바일が、音声認識の神経信号を落としてしまう画像を見て愕然とした。あれは、嘘でも言い逃れでもなかったのである。
第6回 1xbet모바일にある「モスキート音スイッチ」/人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さんの【女の人生のトリセツ】
イラスト・いいあい

モスキート音スイッチを入れさせない

1xbet모바일の「モスキート音スイッチ」。これは、本能の領域で起こる、命を守るための反射的な反応なので、意図的に止めることはできない。愛しているから、モスキート音にならないというわけじゃないのだ。
そんなわけで、モスキート音スイッチを入れない責任は、ひとえに女性の方にある。仕事の現場でモスキート音スイッチを入れてしまうと、「あの人、とっちらかってて、何を言ってるかわからない」と言われて、評価が下がってしまうので、本当に気をつけたい。
「こないだ、客先で、こんなことがあってさぁ」なんて前振りから入ると、本題に入るころにはモスキート音に変わってしまう。悪いのは、対話力の低い1xbet모바일のほうなのに、悪評価は女性側についてしまう。脳に負担のないしゃべり方をすれば、男性は命を守らなくても済む。要は、1xbet모바일の対話ストレスを下げてあげればいいのである。

しゃべり方を変える

対話ストレスを下げるコツは2つある。1つめは、「結論(話の目的)から言う&数字を言う」。目的のわからない話は、予測演算がフル回転するので、脳に負担なのだ。目的さえわかれば、1xbet모바일といえども、かなり耐えられる。それと、数字は、なぜか1xbet모바일のカンフル剤になるようだ。数字を言うと、ちょっと集中力が高まるので、言ってみて。
たとえば、こんな感じ。「企画書の変更点について、話があるの。ポイントは3つ。1つ目……、2つ目……」「お母様の三回忌について相談があるの。ポイントは3つ。いつやるか、誰を呼ぶか、どこでやるか」 そして、もう1つは、3秒ルール。何かに夢中になっている1xbet모바일は、音声認識機能を停止していることが多い。名前を呼んでから、本題に入るまでに3秒弱の沈黙を作るといい。音声認識機能が立ち上がるのに2秒ほど要るからね。
この2つを順守するだけで、「彼女はデキる」と言われるようになる。お試しあれ。
黒川伊保子
黒川伊保子(くろかわ・いほこ)さん
脳科学・人工知能(AI)研究者。株式会社感性リサーチ代表取締役社長。感性アナリスト。随筆家。奈良女子大学理学部物理学科を卒業後、コンピューターメーカーで人工知能エンジニアとなり、ことばの潜在脳効果の数値化に成功。感性分析の第一人者として、さまざまな業界で新商品名の分析を行った。また、男女の脳の「とっさの使い方」の違いを発見し、その研究結果をもとに著した『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社+α新書)はベストセラーに。新刊『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『家族のトリセツ』(NHK出版新書)、『娘のトリセツ』(小学館新書)も話題。
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