第3回
言葉が変われば、カラダまで変わる
相手も、自分も嬉しくなる言葉を意識的に使う。すると、心、カラダ、そして人生が変わるといいます
言葉と心、カラダの関係
ふだん、私たちがなにげなく使っている言葉が、自分の心やカラダに「どんなふうに響き、影響を与えているか」などと、考えたことはあまりないかもしれません。けれども、自分の使う言葉は、自分の意識から出たものです。ですから、そのまま、自分の心をあらわしています。それだけではありません。言葉の用い方は、姿勢にも影響を与えています。
言葉を声に出す
たとえば、「私は、私が大好きです」と3回ほど声に出して言ってみてください。どうでしょうか。声は、ダイレクトに心とカラダに響きます。心がほのかに軽くなって、カラダもゆるんでいるのに気づきませんか。では、次に、「私は、私が嫌いだ」と3回ほど声に出して言ってみましょう。今度は反対に、心が重くネガティブな気分になって、カラダも固くなっているでしょう。なかには、「どんな気分になるか、つかめない」という人もいます。そういうときは、カラダで確かめてみてください。心で感じられなくても、カラダはとても正直です。
イラスト・三好 愛
「ありがとう」の姿勢
では、「ありがとう」はどうでしょうか。心から感謝しているのであれば、その言葉を発するとき、心の“感じ方”もポジティブに響いているはずです。そのときの姿勢は背筋が伸びて、表情もまた、さわやかな印象を与えるでしょう。ふだんから、あなたはどちらを「口癖」にしていますか。もし、感謝の言葉を述べるときも、「ありがとう」ではなく「すみません」を用いていれば、ついつい、その度に身をかがめているかもしれません。もし、そうだとしたら、あなたは「すみません」というたびに、その姿勢によって、卑屈な自分を育てていることになります。
ポジティブな人生を送るには
反対に、素直に「ありがとう」と言っているとしたら、その言葉は心にもカラダにもポジティブに響き、見た目もまた、美しい姿勢となっているでしょう。こんなとき、あなたが感じているポジティブな気分は、「自己肯定感」と置き換えてもいいいでしょう。言葉は、こんな一般的な言葉でさえ、自分の心だけでなく、カラダやその姿勢にもつながっていて、ひいては自分の人生を左右することにもなるのです。
- バックナンバー
- 第2回自分の人生は自分のもの
- 第1回言葉が変われば、カラダもココロも変わる
石原加受子(いしはら・かずこ)さん
心理カウンセラーの石原加受子さんに聞く自己肯定感を高める方法。「今日はいい日だった」と思える日を増やしていきませんか。
心理カウンセラー。心理相談研究所「オールイズワン」代表。「自分を愛し、自分を開放し、もっと楽に生きる」ことを目指す「自分中心心理学」を提唱。仕事や家族、人間関係に悩む人に向けたセミナーやカウンセリングなどを30年続けている。「誰にも言えない『さみしさ』がすっきり消える本」(SBクリエイティブ)「やっかいな人から賢く自分を守る技術」(三笠書房)など著書多数。文庫化された本や翻訳本も含めると200冊以上を出版している。日本カウンセリング学会会員。日本学校メンタルヘルス学会会員。厚生労働省認定「健康いきがいづくり」アドバイザー。