第45回
新玉ねぎとアボカドのサラダ
味の決め手は発酵食品を使ったドレッシング。よく混ぜるとさらにおいしい。
新玉ねぎの季節です
新玉ねぎは、苦味が少なく、ふわっと柔らかい繊維なのに、水にさらすとシャキシャキになる、おいしい春野菜です。クリーミーな味わいのアボカドと合わせてサラダにするのがおすすめ。玉ねぎとアボカドの共通点は、素晴らしい味のコンダクターだということです。例えば煮込み料理や炒めものなら、玉ねぎを入れないレシピを探すのが難しいほど。アボカドは、ワカモレはもちろん、醤油とワサビで食べても、ケーキに焼き込んでもおいしい。このふたつを合わせたサラダは誰にでも愛される一皿です。
旨味のコツは発酵食品
新玉ねぎとアボカドを繋ぐのは、発酵食品で旨味を付けたドレッシングです。今回は片口鰯を発酵させたアンチョビを使いましたが、それは絶対ではありません。アンチョビの代わりに今キッチンにある塩昆布やニョクマム、味噌などの発酵食品を混ぜてもいいんです。大抵レシピは「その通りに作ってください」が基本ですが、新玉ねぎとアボカドはそれ自体が味の指揮者で度量が広い。塩昆布、ニョクマム、味噌のどれでもおいしく仕上がります。油はごま油でもおいしい。
材料(2~3人分)
新玉ねぎ 1/2個アボカド 1個
炒りごま 小さじ1
◎ドレッシング
アンチョビ 3枚
オリーブ油 大さじ1
ビネガー 小さじ2
塩 ひとつまみ
◯アンチョビの代わりに塩昆布小さじ1、またはニョクマム小さじ1/2、または味噌小さじ1を入れてもおいしい。
1 外皮をむいて薄くスライスした玉ねぎを15~20分たっぷりの水にさらして苦味を取る。
2 みじん切りにしたアンチョビと残りのドレッシングの材料をよく混ぜる。
アボカドの切り方
アボカドはよく熟して皮が黒くなったものを選んでください。
3 アボカドの種にあたるまで、縦に深く包丁を入れ、ぐるりとアボカドの周囲を一周させる。
4 左右にひねって、パカっと外す。種はティースプーンを差し入れて剥がす。
5 手で外皮をむく。食べやすい大きさに切り分ける。
よく混ぜるとさらにおいしい
新玉ねぎはよく水気を切ってくださいね。アボカドを器に載せたら、その上に新玉ねぎをこんもり高く盛りつけてみました。召し上がるときは発酵の旨みが絡むように、サーバーでよく混ぜてください。
6 器にアボカドを円形に並べ、新玉ねぎを盛る。ドレッシングをまわしかけて、炒りごまをふる。
7 サーバーでよく混ぜる。
福田 里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。