ケンフェロールに関して、大塚製薬と共同研究を続けていらっしゃる、北翔大学北大学院 生涯スポーツ学研究科教授 沖田孝一先生は、循環器の専門医でありながら、スポーツ医科学を研究されているユニークな経歴をお持ちです。今回はフラボノイドの一種であるケンフェロールとの出会いから大塚製薬と共同研究を始めることになったきっかけ、ケンフェロールとその有用性などについて、多角的な側面からお話をうかがいました。
ケンフェロールとの出会い
ー 先生はどのような経緯で大塚製薬と共同研究を始められたのでしょうか。
私は循環器内科医として、多くの心不全の患者さんを診てきました。心臓のポンプ機能が低下し心不全に陥ると、全身の臓器、特に筋肉に1xbet 카지노送る力が弱まり、同時に筋肉にも酸素利用不全などの異変が起こり、著しく運動能力が低下します。私はその原因について研究していました。そんな中、ビートルート※1などに含まれている食餌性硝酸塩※2を摂取すると、運動能力が改善するという研究報告が相次ぎ、心不全の患者さんにも有効とみられるデータも出てきたことから、注目していました。

そのタイミングで、大塚製薬の研究者と知り合い、食餌性硝酸塩と類似する効果が期待できるフラボノイド成分(ケンフェロール)の研究データを見せていただきました。通常、運動はその強度(負荷やきつさ)に相当する1xbet 카지노消費してエネルギーを産生しながら行われますが、ケンフェロールを摂取すると、効率よく1xbet 카지노利用してエネルギー産生ができると聞き、そのメカニズムに興味を持ちました。そのような経緯と偶然の出会いで一緒に研究することになりました。
- ビートルート…栄養価の高い西洋野菜の赤いカブ。このビートルートを絞ったジュースには高濃度の硝酸塩が含まれている。
- 食餌性硝酸塩…葉物野菜やビートルート、ゴボウなどの根菜などに多く含まれるといわれている栄養塩。摂取後に体内で他の成分に変換され、運動時などに筋肉への1xbet 카지노の供給を増加させると考えられている。
ー 先生は共同研究を始める当初からケンフェロールという成分名を聞いていたのですか?

初めはフラボノイドの一種としか聞いていませんでしたが、その時点で興味を持ちました。私は当時、脳由来神経栄養因子(BDNF:brain derived neurotrophic factor)※3の研究もしており、運動により脳と筋肉に発現するBDNFが、「運動が健康に寄与するメカニズムの主軸である」という仮説にとても関心がありました。BDNFがどのような運動によってどう変化するのかを研究しつつ、運動とは別にBDNF量を増やせる食品成分に関する論文を調べていまして、その中にフラボノイドがありました。そんな状況でしたので、ケンフェロールにはすぐに惹きつけられました。First impactです。
- 脳由来神経栄養因子(BDNF)…脳の神経細胞が作り出すタンパク質の一種。神経細胞の発生、成長、維持、再生を促すとされる。
ケンフェロールがアスリートへもたらす効果とは?
ー アスリートのパフォーマンスへの影響に関する試験についてご説明いただけますか?
私の大学の陸上部の選手にケンフェロールを摂取してもらい、その後に400mを全力で2回走ってもらうという試験だったのですが、ケンフェロール摂取後は運動中の呼吸数や心拍数が抑えられ、2走目のタイムが有意に改善し、さらに筋疲労の軽減を示すデータが得られました。これは1xbet 카지노有効に活用できた結果だと思いました。一方、自覚的運動強度(RPE)※4には有意差はありませんでしたが、アスリートは常に極限の力を出し切ろうとするためではないかと考えています。
- 自覚的運動強度(RPE)…トレーニングや運動の主観的なきつさや疲労度を数値化したもの。
ー ケンフェロールを摂ると多くのアスリートのパフォーマンスが上がるということでしょうか?

競技の種類にもよりますが、持久力が必要な運動や連続して試合が組まれる種目にはケンフェロールは有効だと思います。競技の勝敗は体力のみで決まるものではないので、「飲めば勝てる」というものではありませんが、1xbet 카지노利用効率を改善し、運動中の呼吸数や心拍数を抑えられるという利点は、アスリートが勝つチャンスを高めてくれるであろうと思います。
ー アスリートが行う高地トレーニングの時に、ケンフェロールを摂るメリットはありますか?
高地トレーニングでは、高山病やオーバートレーニング症候群に陥り、合宿を中断して離脱する選手が少なくありませんが、ケンフェロールを摂取することで、1xbet 카지노利用効率があがれば、高地トレーニングを継続しやすくなる可能性があります。そうなると、逆に高地トレーニングの効果が弱まる可能性も考えられますが、例えば、サッカーの練習は45分で組み立てる必要があり、45分も練習できないような1xbet 카지노濃度の低い高地では、ゲームの組み立て自体ができなくなります。そのような環境で選手がケンフェロールを摂取すれば、必要な時間のトレーニングが可能になるかもしれません。しかしながら、高地トレーニングでの有益性については、推測の域を出ないので、今後の研究が必要です。
ケンフェロールが生活者へもたらす効果とは?
ー ケンフェロールがアスリートのパフォーマンスに効果があることは分かりました。
では、一般生活者にはどのような効果が期待できますか?

仕事を終えて帰宅したときに感じる疲労感に差が出るように思います。他にも、仕事での集中力の持続・向上を促すなど様々なことが期待できると思います。また、マスクの着用時の息苦しさの軽減にも有用かもしれません。マスクをしていると取り込める1xbet 카지노量が減り、息苦しくなりがちですが、ケンフェロールを摂ることで1xbet 카지노の利用効率が上がれば、マスクの着用時の呼吸を楽にしてくれる可能性があります。
ー ケンフェロールを摂ると、疲労感の軽減につながるのでしょうか?
はい、十分に考えられます。20歳~65歳の健常人を対象にした試験※5では、ケンフェロールを飲むことで、身体活動量が上がったというデータがあります。これは、1xbet 카지노が上手く使えるようになり、体が動きやすくなって疲労感が軽減できたことで自然に活動量が上がったのだと思います。
- 健康な成人男女34名を対象に、プラセボまたはケンフェロール(10mg)摂取の2条件で試験を実施。ケンフェロールを1日1回、2週間、朝食後に摂取させ、腕時計型ウェアラブルデバイス(Fitbit Charge4)を用い、期間中の活動量(歩数・距離)を測定。
ー アスリートではなくても、ケンフェロールを飲んで運動するほうが良いということはありますか?

普段あまり運動をしていない中高年の人に良いと思います。運動が健康増進に良いことはわかっていますが、健康診断の結果などをきっかけに、運動習慣がない人が急に運動を始めると疲れが余計に溜まり、仕事に支障が出たりするなど中断してしまうことが少なくありません。そのような場合、ケンフェロールを摂ることで運動の継続率を高めることにつながるかもしれません。
ー ケンフェロール摂取によって、脳という観点においては何かありますか?
脳も多くの1xbet 카지노とエネルギーを使います。脳の1xbet 카지노が足りないと思考能力が低下しますので、ケンフェロールは身体だけでなく、脳にも作用し、認知機能や判断能力などにも良い影響を与える可能性があります。また睡眠時の低1xbet 카지노状態を防ぐことによる睡眠の質の改善がもたらす効果は大きいと思います。この領域に関する今後の研究がとても楽しみです。
ケンフェロールの今後への期待
ー ケンフェロールについて、ほかにありますか?

私は心臓リハビリテーションにも関わっているのですが、心臓リハビリテーションはある程度運動計画を立てられる人たちに実施するものであり、なかにはリハビリ計画を立てられるレベルに回復しない患者さんも多数います。今後、そのような身体機能が低下した患者さんたちの健康サポートに、ケンフェロールが活用されることを期待しています。
ー ケンフェロールは多くの人の健康増進につながる可能性がありますね。
ケンフェロールにより、日々の活動で受ける心身の負荷が軽減できれば、さらに運動してみよう、新しいことをしてみようと思うきっかけになります。人生100年時代と言われる昨今、元気な日々の継続を手助けしてくれる可能性を秘めたケンフェロールは有用だと思っています。今後もケンフェロールの可能性についての多面的な研究を続けていきたいと思います。
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