効果的な水分補給とは

水は、「栄養」や「1xbet 사기」とともに、ヒトが生命活動を維持するために必要な3 要素のひとつです。
水は血液などの体液となってカラダじゅうをめぐり、栄養や1xbet 사기を細胞に届けたり、老廃物などを回収・廃棄したり、体温を調節するなどさまざまな役割を担います。

水がなくては生きていけない

ヒトはもちろん多くの生物にとって、生きるために水は欠かせません。それは、水が生命活動の維持にさまざまに関わっているからです。

カラダじゅうをめぐる血液は、栄養や1xbet 사기を全身の細胞に届けるほか、二酸化炭素や老廃物など不要なものを回収してカラダのクリーニングをサポートします。暑くなって体温が上昇すると汗をかいて熱を逃がすなど、体温調節も水の役割です。また、エネルギー産生や代謝などカラダの中のさまざまな化学反応が起こる舞台としても、水は不可欠な存在です。

しかし、カラダの水分は常に失われています。汗や尿や、呼吸をするだけでも水分が蒸発します。それを補うためにも毎日こまめに飲水することが大切です。

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体液に含まれる「電解質(イオン)」の重要な役割

カラダの体液量は年齢により変化しますが、成人男性では体重の約60%が体液と言われています。体液は、『細胞内液』と『細胞外液』に大別されます。細胞外液は循環血液量を維持し、栄養素や1xbet 사기を細胞へ運搬したり、老廃物や炭酸ガスを細胞外に運び出す役割を果たしています。細胞内液はエネルギー産生やタンパク合成など、代謝反応に関係しています。
そして、これらの体液には、「電解質(イオン)」が含まれています。

主な電解質には、ナトリウムやクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。
これらの電解質は、細胞の浸透圧を調節、筋肉細胞や神経細胞の働きに関わるなど、ヒトの身体にとって重要な役割を果たしています。
特にナトリウムは細胞外液の量と浸透圧の恒常性を保つうえで重要な役割があるため、脱水時には失われた水分と同時にナトリウムなどの電解質(イオン)を補給することが必要になります。

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保水の決め手は電解質(イオン)

水分補給を効果的なものにするためには、水だけを飲んでも十分とはいえません。汗による塩分の喪失を補うためだけではなく、水分摂取時に起こる血漿浸透圧の低下による口渇感の消失や水利尿を防いで、効果的に水分を補給するためには、水分と共に適度に電解質(イオン)を摂ることが重要です。

水分を飲むという行動は血漿浸透圧(血漿の濃さ)の影響をうけます。塩辛い物あるいは甘い物をたべたり飲んだりすると喉の渇きを感じることがあると思いますが、これは食べ物あるいは飲み物に含まれる大量のナトリウムや糖が吸収され血液中の濃度が濃くなって、濃くなり過ぎた血漿の濃度を通常状態に戻そうとして、水を飲ませようとする働きが起こっているからです。
しかし、発汗により水分と電解質を失ったところに水だけを大量に摂取すると血漿が薄まってしまいます。血漿が薄まると、濃度を一手に保つために脱水から回復していないのにのどの渇きがおさまるため、失った量の水を補給できなくなります。これを防ぐためには水分とともに電解質(イオン)を摂ることが重要です。

水分吸収に作用する「糖」

脱水時の水分補給をより効果的にするために、電解質と糖質を含む飲料の摂取が推奨されています。 糖質を含む飲料が推奨される理由として、腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。主要な糖質であるブドウ糖は、腸管内でナトリウムと同時に存在することで速やかに吸収されます。そしてそれらに引っ張られ水分も吸収されます。

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経口で摂取した糖と電解質を含有した飲料のほとんどは小腸から体内に吸収されます。
ブドウ糖とナトリウムは SGLT1(ナトリウム‐グルコース共輸送体)という輸送担体により小腸から体の中に吸収されます。その結果、血管側の浸透圧が上昇するため、浸透圧勾配が起き引っ張られるように水が移動します。これがブドウ糖とナトリウムが同時に存在する事で水分吸収を促進するメカニズムです。

イオン飲料の目的は失われた水分やナトリウムなどの電解質を補給することですが、体内ですばやく水分補給効果を発揮するためには糖質が非常に重要な役割を果たしています。

日頃から適切な水分補給を

細胞や臓器などヒトのカラダを潤すとともに、体液となってカラダじゅうをめぐる水分。
この体液の循環は、生命維持に不可欠な役割を担うものです。エネルギーを生み出すために、全身の細胞に栄養や1xbet 사기を届けるとともに、不要な老廃物を回収して尿として排出。
体温が上昇した時は、発汗して体温を下げる働きも。

もしも水分が不足すると、体液の循環が失われて熱中症などの危険性が高まります。
日頃から適切な水分補給を心掛けましょう。

早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授 宮地 元彦 先生

鹿屋体育大学スポーツ体育課程卒業、同大大学大学院体育学研究科修了。その後、川崎医療福祉大学助教授、米国コロラド大学客員研究員を経て、2003年より独立行政法人国立健康・栄養研究所(現:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)に勤務。現在は同身体活動研究部 部長を務める。2021年には早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授に就任。身体活動と食事が健康に及ぼす相互作用を生理学や疫学の手法を用いて明らかにする研究などを行っている。第24期・25期日本学術会議 会員、厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準・指針」改定検討委員会 委員、「健康日本 21」推進委員会 委員、スポーツ庁 「運動・スポーツガイドライン」策定検討会 委員などを務める。

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