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肥満中年女性の身体組成に及ぼす複合トレーニングと
タンパク質摂取の併用効果
前田有美、横山典子、高橋康輝、土居達也、松元圭太郎、上野裕文、久野譜也
体力科学 2007; 56: 269–278
目的
複合トレーニング直後のタンパク質+糖質サプリメント(ゼリータイプ)の摂取が、骨格筋量に及ぼす影響を検討すること。
方法
肥満中年女性42名(平均年齢56.5±4.3歳、BMI 26.6±2.3kg/m2、体脂肪率35.9±2.2%)を対象に、タンパク質+糖質サプリメント摂取(タンパク質10g、糖質15g、脂質0g)、等カロリープラセボ摂取(タンパク質0g、糖質25g、脂質0g)あるいはノンカロリープラセボ摂取(タンパク質0g、糖質0g、脂質0g)による群間比較試験を実施した。被験者は、週5日間の筋力トレーニングおよび有酸素トレーニングを併用させた複合トレーニングを10週間継続して実施した。毎回の運動直後に被験物を摂取させた。10週間のトレーニング前後で大腰筋の筋量をMRI画像による横断面積より測定した。
結果
トレーニングによる大腰筋の増加量は、ノンカロリープラセボ摂取群と等カロリープラセボ摂取群の間に差は見られなかったのに対して、タンパク質+糖質サプリメント摂取群では他の2群よりも有意に増加した。
考察
以上の結果から、筋力トレーニングおよび有酸素トレーニングの併用プログラムを用いた運動プログラム実施直後におけるタンパク質の摂取は、日常生活動作の中でも多くの割合を占める、歩行あるいは階段昇り動作のような股関節屈曲動作に関与する大腰筋の筋横断面積をより効果的に増大することが示された。